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税理士:三保 俊輔
■変化するビジネス、中小企業マーケティングについて、現場から学びとった税理士独自の視点でご紹介!
■税理士が中小企業や不動産オーナーに関心の高い税金の話題をピックアップ!
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記事には税理士三保の私見が含まれていることがあります。経営の記事については、他の価値観を否定するものではありません。また、WEBサイトは様々な立場の方が閲覧されているため、内容によっては抽象的な表現をする場合があることを御了承ください。
税金は特別なコストであることを理解して節税する
決算間際の無駄遣いには要注意
決算が近くなると、税金を払いたくないということで、駆け込みによる広告費や消耗品系の経費支払い、少額の設備投資をされる方がいらっしゃいます。経営者の間では、「節税=経費創出」という概念が常識化しているようにも感じます。
ある会社の経理部長さんとお話していたときのことです。その方からすると「節税」することは簡単なのだそうです。しかし、そのお話の中からは、結局は”何かを買う”という方法しか聞こえてきませんでした。 もしそれで節税ができれば本当に簡単だと思いますが、この会社は、支払う税金は少なくなるものの、会社に残るお金も少なくなっていくことになります。
節税は単なる手段であって、経営の基本は内部留保にあるということを忘れてはいけません。このことは、企業経営の本質を問う大変重要なことですので、経営を進めるにつれて理解を深めていく必要があります。
決算で中小企業に関係する税金は3種類
節税そのものを否定したのではありません。節税は企業経営にとってとても大切です。なぜなら、税金はコストだからです。税金は決算後短期間で会社から資金が出てくため、少なからず会社を圧迫します。納税が遅れたり申告計算に誤りがあれば、延滞税、過少申告加算税、重加算税など様々なペナルティーが用意されていて、場合によってはその後の税務調査で本税の2倍近い税金を確定させられてしまいます。
ところで、会社にかかっている税金の種類をご存じでしょうか?
その性格から、3種類に分けて説明してみましょう。
1. 利益課税部分
2. 均等割部分
3. 消費税
この3種類です。
大きな企業になるともう少し複雑ですが、ここでは一般的な中小企業を前提とし、説明が複雑化するのを避けるため、特殊な事例は除きます。
少しだけ具体的に見てみましょう
利益課税部分というのは、文字通り”儲け”に対して一定率(多段階の場合もあります)を乗じて計算する方式です。もし、経費を莫大に使って赤字になれば、この部分の税額は0円になります。
次に均等割部分ですが、これは儲けに関係なく企業の規模に応じて税額が定められています。企業規模とは簡単に言うと、資本金や人数の規模で階級区分されています。広島県広島市に事業所が存在していれば、広島県と広島市に対して儲けに関係なく決まった額を納税することになるという意味で、場所代だと考えるとわかりやすいでしょう。
政令指定都市の場合、この場所代は区ごとに発生しますので、たとえば、中区に本社があり、安佐南区に営業所がある場合、利益に関係なく二つの区の場所代を支払うことになります。
最後は消費税です。消費税は誰が負担しているのでしょうか?
もちろん、直接納税するのは会社ですが、負担者はあくまでも消費者です。このように、税負担者と納税義務者が一致しないものを間接税といいます。時々、消費税が払えないという企業がありますが、これは消費者から預かった消費税をその会社が使い込んだという理屈になるため、税務当局の対応も厳しくなります。
また新設法人の場合、資本金が1千万円未満の第1・2期は通常は免税事業者です。免税事業者とは消費税を一切払わなくてよいので、会社設立準備の段階ですでに節税の検討を始めなければならないということになります。
消費税の納税額は、売上高に含まれている消費税から仕入や経費に含まれている消費税を差し引くことによって差額的に算出されます(原則課税)。消費税の特徴としては、赤字企業でも納税額の発生する可能性が非常に高いということです。 また、介護事業者のように売上の中に非課税のものが多く含まれている業種では、消費税の計算はとても複雑になります。
銀行は節税赤字会社を嫌がる
金融機関は企業を格付けしています。この格付けですが、実際にはコンピュータが機械的に行っていて、定性的な判断はあまり感じられません。税理士が見ればおそらく途中で返済が焦げ付くだろうなと思うような会社に対しても、実際にはかなりの融資が行われています。水面下の不良債権は莫大な額です。この与信の仕方には問題があると考えていますが、あまり詳しいことはここでは書きません。
本来お金を借りることができない会社でもお金を借りられるようにすることはある程度可能です。決算書の作り方にカギが隠されています。ですから、経費を創出して赤字にしている会社は金融機関から融資を断られても当然なのです。悪い決算書を提示して粘り強く交渉したとしても、融資条件はとても悪く、金利圧迫の影響を受けて益々経営は悪化することになります。
節税は会社にお金を残す方法でしなければ意味がない
現在の経営環境を考えると、むやみに経費を支出して納税額を抑えるという考え方は正しくありません。企業の内部留保に重点を置いた経営をすることが大切です。自社のモノがいつどんな事情で急に売れなくなるとも限りません。そのとき、その会社の内部留保の大きさで経営の立て直しができる時間の長さが決まることになります。
税法は頻繁に改正が行われます。これらの情報を収集し正しく理解することから節税対策は始ります。そして、暗算や感覚的な決算見積もりに基づいて節税を考えるのではなく、決算日の3か月前から具体的に決算と納税額のシミュレーションを行うようにしてください。そして、現預金残高も必ず確認してください。節税策は、事業戦略とミックスして検討することで結論がでることも少なくありません。節税の目的はキャッシュを残すことであると認識することがとても大切です。
最後に、節税のコツを!
節税にはいろいろな種類があります。なかには、ウルトラCのようなもあります。しかし、ほとんどが日ごろの積み重ねによって実現されるものだということを理解してください。日頃の積み重ねは回数が多いため、1事業年度を通して見ればそれなりに成果はあるものです。
<税コストを安定的に減らすためのコツ>
・事業戦略と照らし合わせて、未来創造のための投資を決算予測で検討する
・普段の経理処理の中で、小さな節税を積み上げていく
・たまには専門家の意見も聞いてみる
・会社にお金を残すための手法が本当の節税であることを理解する
節税とは、とても知的な手法です。
情報収集を行うなどして、ぜひ自社のために役立ててみてください。
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